山野は新録に包まれ爽やかな風が吹き抜け、暑くなく寒くなくと、一年中で最も過ごしやすい季節となりました。
5月10日の21年第3回定例会当日は、朝から抜けるような五月晴れ、燦々と太陽が降り注ぐ絶好の同好会日和となり、定刻の1時には14名が元気な姿で参加、定番の沖縄ランチの会食で始まりました。

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今回のイベントは、どんな内容か参加者一同が楽しみに期待を膨らませているうちに、山路会長の解説に続いて、賑やかなサンシンに乗って代表的な沖縄芝 居、大宜味小太郎作「丘の一本松」のビデオ鑑賞がスタート。鍛冶屋の頑固な親父(スー)と腕の立つ頑固息子(良助)及び家族のコメディータッチの心温まる 話です。
良助が村中所か他島までその腕の良さが評判になっても、「お前は何時までも鼻タレ小僧だ」と言う頑固なスーに、良助は反発する。その良助 に、アンマー(母親)は、スーはお前の親だから辛抱するんだよ、反抗するなよ、と諭す。良助は、何を言っても頑固さを曲げないスーに、「仕事場の金物なら ば叩き曲げることも出来るが、自分の親を叩き曲げる訳にも行くまい」、と独り言を言う。そのスーも、歳とともに丸くなり、「スーが小言を言っている間は、 スーは元気だなーと思って、うるさくても言わせておく良助」、と甘える。
そう言われた良助は、「スーよ、今日からは、この一本松と同じように、 スーにもシメ縄をかけて祀ってあげるよ」、とお互いが親子の絆を再確認する。親子の葛藤は、先祖崇拝、儒教の影響が強い沖縄であっても、近代化して行く内 にどうしてもぶっつかる問題。頑固な親父と、反発する子ども、その葛藤をユーモラスに描いた芝居で感動しました。

続いてその芝居を、セリフと唄でまとめた同名の島唄をビデオ及び島唄を通じ方言の勉強が始まりました。
方 言は沖縄地方でも北部、中部、南部の地域、村落で全く通じないことが多いと聞きますが、まして沖縄列島の沢山の島々では島ごとに言葉が違って標準語が普及 するまではコミューニケーションも大変だったことでしょう。私は沖縄に5年間住んでいましたが、高校を卒業するとすぐ上京し、以来沖縄の方々との付き合い がないまま今日に至っているために、全く沖縄の方言を聞いたり、話す機会がありませんでした。
それでも所々では方言の判るところがあり、その場面では皆と思はず爆笑しました。私と同じように方言を忘れた方も居たのでは無いでしょうか?
順番でセリフもタドタドしく、イントネーションも外れて、皆で笑いながら故郷を思い浮かべつつの楽しい方言のレッスンでした。所違えば言葉も違う、をしみじみ感じた次第です。 このような方言の勉強会をまた何時の日か作って欲しいものです!!

方言のレッスンに続いて定番の沖縄民謡を長嶺さんのサンシンに合わせて、安里屋ユンタ、島唄、十九の春、えんどうの花、汗水節、んまりじま、等々、時間の経つのを忘れるほどに皆で合唱、楽しい1日でした。
皆さん定刻の4時に、次回をお楽しみにと挨拶を交わしながら散会しました。